株式会社吉村印刷

印刷を楽しむブログ

まだまだ紙の伝票が現役です

紙を使わず、ダウンロード形式の請求書やスマホを使った電子決済などが主流になりつつあるなかで、紙の伝票もまだまだ健在です。
私たちが作っている作業日報や指示書などの各種伝票は、使用用途に合わせ、製本方法を少しずつ変えながら、いわゆるオーダーメイド品として作製しています。


■単票
まず、注文書などの1枚ずつ切り取って使用する製品の場合は、1種類の紙(上質紙など)で製本することが多いです。紙の厚さは、なるべくかさばらない薄めの紙(上質45kgなど)を使用します。

■複写仕様 or カーボン紙
2枚以上を一組にする場合、ノーカーボン紙を選択して複写仕様にするか、間にカーボン紙を入れるタイプにするかで作業工程が変わってきます。ノーカーボン紙の場合、丁合して上紙と下紙を合わせると、ペン先でひっかくだけで感圧(発色)してしまうので、断裁の工程では、押さえつける圧力を下げるなど、細心の注意を払っています。

また100冊以上の伝票をつくる場合は、紙の数量が多くなるため、紙の単価が高いノーカーボン紙の方が紙代が膨らみ、1冊単価が上がってしまうことがあります。

■セットのりとは
「セットのり」と呼んでいる製本方法は、複写伝票の1セットごとにのりを付け、仕上げます。のり付けするときにはまとめて行ないますが、専用ののりを使用することで、1セットごとにバラバラになります。

この方法はノーカーボン紙でなければできませんが、用途によっては使い勝手が向上します。また、まれに「※マルチセットのり」というものもあります。
※上質紙+ノーカーボン紙のセットのりを行なう際に使用する。ノーカーボン紙の一番下の紙の裏側に「セパレートインキ」を印刷することで、上質紙とノーカーボン紙を切り離すことができる。

■のり、綴じの違い
「天のり」「左のり」といっている製本方法は、天(上側)または左側の一辺をのりで固め、マーブルと呼ばれる紙で巻いたもので、一枚ずつはがせるようにしています。


「天綴じ」「左綴じ」と呼んでいる製本方法は、天または左側の一辺をのりで固めた後に、針金で綴じます。「納品書とその控え」のように、上の伝票は手元に残り、下の複写した伝票はミシン目を入れて切り取って、先方に渡すことができます。マーブルよりも丈夫な紙クロスで巻いています。


以上が代表的な製本方法ですが、下敷きを付けたり、角を切ったり、大小さまざまな穴を開けたり、ご要望に合わせてさまざまな伝票を作っています。

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