株式会社吉村印刷

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雁垂れ(がんだれ)製本

製本方法の一つに、雁垂れ製本という方法があります。漢字の部首の「雁垂れ」に見えることからこの名前がついたようです。

この雁垂れ製本、並製本ではありますが、表紙の小口側を内側に折り込むので、少し印象を変えたい時には有効です。


通常の並製本は、無線綴じ機で表紙をつけてから、のり(糊)の入っていない天地(上下)と小口(綴じていない側)の三方を仕上げ裁ちして仕上がりとなります。一方雁垂れ製本の場合は、通常どおりに表紙をつけてしまうと、小口側の折った部分も仕上げ断ちされてしまうので、製本方法を変える必要があります。

そのため、表紙をつける前に「背固め」をして、小口側を仕上げ裁ちします。「背固め」とは、本身(本文)がバラバラにならないように背をのりで固めることです。その本身を無線綴じ機に通し、表紙を貼り付けます。雁垂れ表紙は、巻き込む部分が必要であるため、通常よりも表紙を長めに設定しています。


この表紙を、一冊ずつ仕上げ寸に合わせて折り込んで、天地を仕上げ裁ちすれば、雁垂れ製本の完成になります。

雁垂れ製本は通常の製本よりも手間がかかりますが、その分折り込んだ部分にデザインを施し、様々なアイデアを加えることができるので、本全体のクオリティがアップします。

製本の世界もかなり奥が深いです。

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