株式会社吉村印刷

印刷を楽しむブログ

大型の焼き付け機が製版工程の主役だった話


この機械は、オフセット印刷の刷版を作るときに使う水平型真空焼付機です。
今でこそCTP(組版用コンピュータのデータから直接印刷版を出力する方法)の普及でフィルムを使って刷版を作ることはほとんどなくなりましたが、10年くらい前までは、ダイレクト版と並んで製版工程の主役でした。

フィルムをPS版(感光剤を塗布した亜鉛版)に焼き付けて版を作製していたので、書籍や新聞などが「校了」となってから印刷工程へ降版するまでには、いくつかの工程を経る必要がありました。

まず、データをフィルムに出力します。そのフィルムを印刷する機械のサイズにあわせて面付けします。


面付が終わると、PS版にフィルムを密着させ、メタルハライドランプの強力光源で焼き付けます。
たとえばネガフィルムの場合、画線部(透明部分)に光があたってその部分が硬化します。そのPS版を現像すると光があたらなかった非画線部は感光剤が剥がれ、画線部だけが残ります。


フィルムに出力した段階とPS版に焼き付けた段階の工程変量によって、網点の大きさが太ったり細くなったりするので、変量を考えてデータを作成していました。


現像したPS版は、水洗、ガム引き、乾燥・点検を終えて、ようやく印刷工程に渡されていました。

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