株式会社吉村印刷

印刷を楽しむブログ

“裏写り”を防ぐためのちょっとした工夫

印刷後の製本工程を進行させていくとき、刷り終わってすぐには作業にかかりません。
納期が詰まっていても、“急がば回れ”という言葉の通り、しばらく刷り本を寝かせた後に作業にとりかかります。

なぜこうするかというと、印刷直後はどうしてもインキが乾いておらず、擦れ等で製品が汚れるリスクが高くなるからです。印刷枚数が多くなると、重なった印刷用紙はかなりの重量になるので、印刷機の排紙台から降ろすだけでも、気を遣います。

ベタが使われていたり、インキを多用しているものは、印刷後になるべく高く積み上げないようにし、裏移り防止のパウダーを通常よりも多く使用するなどの対策を行なっています。

一般的なコート紙や上質紙は裏写りしにくいのですが、紙質によっては、一日以上置いているのに裏写りしてしまう紙もあります。

色カードの定番の一つである「Aカード」といったすべすべとした手触りの紙は、そのまま置いておくのには全く問題ないのですが、仕上がりサイズに断裁するときに圧力をかけると、汚れてしまう場合があります。
納期に余裕がある場合は、ぎりぎりまで触らずに置いておきますが、短納期の場合は、印刷用紙1枚1枚の間に白い紙を入れ、裏写りしないように断裁するなどの工夫をしています。

また、意外な感じもしますが、一般的によく使われるマットコート紙も、中綴じ製本の際や折り加工の際に汚れてしまうことがある紙の一つです。注文した製品が手元に届いた際、裏写りや汚れが気になってしまう場合は、次回からコート紙や上質紙に紙質を変更するというのも一つの手かもしれません。

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