株式会社吉村印刷

印刷を楽しむブログ

からし色とメトロブルー

先日お客様からのご依頼で、製本用の糸を探していたときのこと。

先方の希望は「からし色」とのことだったので、洋裁店に行って糸を見てみると、その種類が思っていたよりも豊富にあることに驚きました。
ざっと見ただけでも色数が200~300色くらいはありました。

そしてそのたくさんの種類の糸の中から「からし色はこれかな?」と“洋からしのチューブ”の色を想像して色を選択。
近くにいた店員さんに「この色って、からし色のイメージに合っていますか?」と聞いてみると、その店員さん曰く、
「その色よりは、こちらの方がからし色に近いのでは?」と、より青みがかった黄土色に近い別の色を指されました。

選ぶほどある糸の中から、「からし色はこれかな? いやこっちじゃないか?」と探していくのは至難の業。ですが、人それぞれによって「からし色」と聞いて連想する色が違ってくることも、当たり前のようですがとても新鮮な感じがしました。

調べてみると、「からし色」といわれる色の中には何種類も色があり、赤みがかった色から青みがかった色まで、たくさんの色が存在することが分かりました。
オフセット印刷で「特色インキ」を選ぶときと同じように、色は本当に千差万別だと改めて感じる出来事でした。

また別件の印刷の仕事でも同じような経験をしました。
こちらのお客様が求められていたのは、濃紺だけど若干明るめの色。
「インディゴ(青紫系の藍色)」や「ロイヤルブルー(鮮やかで深みのある藍色)」、「ジャパンブルー(深く鮮やかな青色)」など、濃紺~青の色の中でも豊富な色があります。
その中から先方が求めている色を探していく作業を行なっていき、最終的には「メトロブルー(ネイビーよりも少し明るく若干青みが強い色)」に決まりました。

おもしろかったのは(実際に仕事をする上では大変ですが…思い返してみると)、「からし色」も「濃紺」も、人それぞれで想像する色がまったく異なること。
それぞれが想像している色の刷り合わせで、様々な製品が出来ていることを想うと、とてもワクワクしてくる感じがありました。
これはまだまだ色の世界の序の口だと思うので、今後もことあるごとに勉強していきたいと思っています。

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