株式会社吉村印刷

印刷を楽しむブログ

紙での校正にこだわる意味

弊社では、基本的にどの製品も紙媒体での校正を基本にしています。

校正で何をしているかというと、⓵お客様からいただいた原稿(データをプリントアウトしたものや手書きの原稿)と、弊社で組版及びデータ処理をしてプリントアウトした校正ゲラを見比べて(つき合わせ)、誤字や脱字がないかを確認すること、⓶「校閲」といって原稿の文章や図表そのものに間違いがないかを確認すること、この2つの作業を、紙に目をこらしながらやっています。

現在では、PDFデータ上での校正も併用しながら工程を進めていますが、“紙”を使って“人間の目”で行なうということをまず重視しています。データ上でのチェックが有利な場合ももちろんありますが、論文やエッセイ、小説などの重要な校正になればなるほど、人間の目でチェックするのが有利な場面(確実性があること)がほとんどだと思っているからです。

一方で業界内では、「校正をAIに任せて自動化する」ということも進行しています。
校正業務に人手がかけられない現状のなかで、自動化して作業の効率化と省人化を図るという意味でプラスになることもあるとは思いますが、AIが果たして正確な答えを導き出すのかどうか不安にはなります。AIに調査・編集や校正を任せて本を製作し、「間違った情報をそのまま印刷してしまった」となると、出版社や印刷会社の信頼や評判にも関わる大問題に発展するリスクもあります。

またどの作業にもいえることではありますが、クラウド上にあるシステムにすべてを頼ってしまうと、今回のような大規模なハッキングが起こったときに、システムダウンでデータを取り出すことができず、作業がストップしてしまうということにもなりかねません。

だからこそ、「紙はいらない」のではなく、「適材適所で紙を使っていく」ということが今求められているのではないかと感じています。
特に校正という組版・印刷工程のなかで肝となる部分において、紙を使って、人間の目で資料を探し、出典元を調べ、間違いをチェック・訂正し、「紙面に出さない」ということがとても大切になっていると思います。
もちろん我々制作する側のレベルアップは必要で、時代に対応した情報を取り入れながら、常に資料のブラッシュアップをしていくということも続けながらではありますが。

「紙での校正」。1字1字を目で追っていく地道で大変なアナログの作業ですが、日本中のプロフェッショナルな校正者が日々出版物の作製を支えていると思うと、改めてそのすごさを感じます。ある意味、紙と赤ペンで行なう校正作業は、ネットワーク上にあるシステムを使わない、究極に障害に強い作業なのかもしれません。

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