株式会社吉村印刷

印刷を楽しむブログ

冊子印刷・製本でおすすめの紙

「コピー用紙ぐらいの厚さの紙で印刷・製本できないでしょうか」という問い合わせをいただくことが増えています。紙の種類は数えればきりがないほどありますが、冊子や本に適した紙は限られてきます。普段使用しているコピー用紙(坪量68g/㎡・紙厚0.09㎜)と比較して、いくつかの紙を紹介してみたいと思います。

まずは上質紙。ホームセンターなどで購入できる白色度90%以上のコピー用紙と比べれば、若干黄みがかった色をしています。上質55kg・上質70kgがそれぞれ、約0.08㎜・約0.1㎜なので、ほとんどコピー用紙と大差がありません。

この上質紙がとにかく万能です。とくに55kgと70kgの2種類は、書籍印刷を扱う印刷会社の2大巨頭といっても過言ではありません。そのなかでも本文用紙として一番おすすめは、やはり70kgでしょうか。製本したときの紙のコシや、頁をめくったときの安定感は抜群です。

その他に、半光沢のマットコート紙や光沢があるコート紙、目に優しいクリーム色の書籍用紙などが冊子・本でおすすめの紙になります。マットコート・コート紙は90kg程度、書籍用紙は72.5kg(A判46.5kg)や67.5kg(A判43kg)が本文用紙として使える紙だと思います。

大学の論文集や学校関係の冊子でよく使われているのが上質紙なら、書店にならぶ文庫本や単行本によく使われるのが書籍用紙です。書籍用紙の方が、長時間本を読む場合には疲れにくく、味があるかもしれません。またカラーの写真やイラストがある場合は、マットコート紙やコート紙の方が映える場合があります。

一方で、A4のコピー用紙で印刷し、製本することもよくあります。この場合は、表紙をくるんだ後の仕上げ裁ちで天地(冊子の上下)2㎜、小口(頁をめくる側)1㎜を断裁するので、A4より少し小さいサイズになります。

廃番にならない以上、様々な紙を選ぶことができるのが日本の印刷会社の強み。冊子・本の用途、カラー印刷の有無などによって、じっくりと検討することをおすすめしています。

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