株式会社吉村印刷

印刷を楽しむブログ

「奇跡の清流」仁淀川流域で培われてきたもの


仁淀(によど)川とは、西日本最高峰である石鎚山(標高1,982m)に流れを発し、愛媛県・高知県を流れる1級河川(愛媛県側では面河川と呼ぶ)のことです。高知市街地から比較的近い場所にありながら、2012年から5年連続で「水質が最も良好な河川」(全国一級河川の水質現況)となったことで、「奇跡の清流」としてその名が知られるようになったそうです。

八月のとある日、仁淀川の支流沿いを散策する機会に恵まれ、その透き通るような流れと、青空に映える四国山地の山々を堪能してきました!


この仁淀川の清流と山々に培われてきたものの1つが、「日本三大和紙」の1つ、「土佐和紙」であることをご存知でしょうか?

和紙の原料には、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)などがありますが、雨量が豊富で温暖な四国の山々で昔から栽培がおこなわれ、仁淀川の水を使って手漉(す)き和紙がつくられてきたことを、今回高知県を訪問し、初めて知ることができました。

高知県・仁淀川流域にある、いの町、土佐市では、1100年以上前の平安時代にはすでに紙漉きがおこなわれていたようです。

1900年ほど前に中国で紙が発明され、1400年ほど前に高麗(現在の朝鮮)から製紙方法が日本に伝わったとされていますが、そこから先人たちが日本独自の手漉き和紙の製造方法を編み出し、脈脈と伝統を受け継いできました。

現在高知県の若手職人・技術者が、和紙を使った活版印刷などの製品を全国に発信していることを知り、とてもおもしろい取組だと感じました。和紙の温かみと風合いは、多くの消費者に支持されながら少しずつファンを増やし、買い求める人の数も増えているのではないでしょうか。

私たちは製本や印刷等の仕事に携わるなかで、和紙に触れる機会が少なからずありますが、そのルーツを知り、歴史を学ぶチャンスは意外に少ないかもしれません。

現地に実際に足を運び、自然を肌で感じるとともに、そこからさらに製紙業の原点を探っていくことは、今後の印刷の幅を広げていくうえでも大切なことだと、あらためて感じることができました。

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