株式会社吉村印刷

印刷を楽しむブログ

ドットゲイン

オフセット印刷で刷り上がった印刷面が、実際にDTP作業で設定した網点よりも濃くみえる現象が起こることがあります。これには、様々な要因がありますが、“ドットゲイン量の増加”も一つの要因です。

そもそもドットゲインとは、印刷インキが紙に転写される際に、刷版の網点の大きさより印刷物の網点のほうが大きくなる現象のことです。印刷条件によってはその値が大きく変化し、印刷物の階調や色再現に影響を及ぼすため、案外厄介な存在なんです。

印鑑を押印するとき、かすれないようにとインクをしっかり付けて力強く押すと、インクが潰れて文字が太くなり周りが滲んだようになってしまうあの現象。これと同じようなことが、印刷の様々な設定によって発生しているということなんです。


ブランケット胴、圧胴、版胴と、印刷機の3つの胴の印刷圧とローラの接触圧の調整もポイントです。これらはカラー印刷で色管理をするうえでも重要項目で、調整する時間を確保して、忙しくても定期的に値を測って調整するようにしています。

インキ濃度でいうと、50~60%の中間調の網点で最もドットゲイン量が大きくなるといわれており、カラー印刷で重要な中間調が影響を受けやすいのも、色の管理が難しい要因です。

最新のオフセット印刷機はかなりドットゲインが少なくなっているようですが、それでもどうしても付いて回るのがドットゲインです。

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