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家族を想うとき

ケン・ローチ監督の最新作、「家族を想うとき」を映画館で観ました。下関や小倉(北九州市)のシネコンでは上映しておらず、佐賀の映画館(CIEMA)まで足を伸ばしましたが、時間をかけて観に行った甲斐がありました。

この映画が問いかける「いったい何と闘えば、家族を幸せにできるのか」という問いは、今の世界の中で、共通して発されていることなのではないかと感じました。

不器用だけど真っ直ぐで、家族のために骨身を惜しまず働く父、介護士として訪問先の高齢者に愛情を持って接しながら、子どもたちのことを一番に考えている優しい母、先を見通す力があり芸術のセンスがあるけど、学校の勉強や父親に反発する兄、父母や兄のことを想い、家族を1つにするため一生懸命になる聡明な妹。

そんな1つの家族が、ごく当たり前に幸せに生きるために、なぜ毎日毎日夜遅くまで働き続けなければいけないのか、父親が仕事中に暴漢に襲われ、重傷を負った体で、なぜ次の日には仕事に向かわなければ生きていけないのか、最後まで胸に突き刺さる映画でした。

見終わった後、「家族を想うとき」というタイトルと、ストーリーを反芻しながら、現実にあるイギリス社会の問題として、また日本社会や自分たちの問題として受け止め、考えることができました。DVDが発売されたら、もう一度じっくり観てみたいと思います。

ちなみに、佐賀市にある「シアター・シエマ」ですが、落ち着いた雰囲気がある居心地の良い映画館でした。シネコンでは扱っていない作品も上映しているみたいなので、山口・下関からはちょっと遠いですが、チェックしておくべきスポットだと思います。

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