株式会社吉村印刷

印刷を楽しむブログ

オーバープリント

印刷データを作るとき、注意している確認事項の一つに「オーバープリント」があります。

■「オーバープリント」とは…
重なり合うオブジェクトに対して施す処理のことで、前面に配置したオブジェクトが黒(K1色のみで100%に近い)の場合、印刷時に前面のオブジェクトが背面のオブジェクトに対して“ヌキ(ノックアウト)”にならないようにするための方法です。

重なり合ったオブジェクトの層をどれだけ複雑に作成していても、印刷用の刷版を作るときには、最も前面にあるオブジェクトの色だけがデータとして焼かれるため、その背面はデータ上では抜かれて、何もない白と同じ状態になります。


そのため、印刷したときに最前面にある黒版と下層の色版が少しでもズレれば、意図しない白い縁(フチ)が出てしまいます。


オーバープリント設定をすると、背面の色を抜かずに前面のオブジェクトのインキと背面のオブジェクトのインキが両方印刷されます。
このことによって、見当ズレが起きた場合でもそのズレをカバーすることができます。

しかし、これは前面のオブジェクトが黒一色100%の場合に適用されることで、灰色などに適用すると色味のついた灰色に変わるため注意が必要です。

また、データの作成途中に色を黒から白などに変更した際、そのままオーバープリント設定が適用されると、オブジェクトが消えてなくなるなど、トラブルの原因になるので注意が必要です。

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