株式会社吉村印刷

印刷を楽しむブログ

本の背表紙の幅=背幅

一冊の本が出来上がるまでには、様々な工程を経ていますが、どの工程を切り取っても良い本作りには欠かせない作業ばかりです。

そのうちの一つ、本の顔「表紙」を作成する作業では、レイアウトなどももちろんですが、とくに「背幅」の計算に気を使っています。

無線綴じや糸かがり綴じの並製本では、本の中身(本文など)とは別工程で表紙を作成・印刷して、中身と合わせます。このとき、表紙で本文をくるむ製本方法のため、背(背表紙)ができます。

この背表紙の幅のことを「背幅」と呼んでいます。


ページ数が多くなるほど背幅が広くなりますが、使用する本文用紙、扉の有無、見返しの有無などによっても微妙に変わってきます。紙の種類が多かったり、複雑な仕様の場合は、念のため2~3回計算して背幅のミリ数に間違いがないかを確認しています。

とくに背文字(本のタイトルなど)が入る際には要注意です。背幅が狭いときには表紙、裏表紙に背文字がはみ出さないように慎重にレイアウトしていきます。

製本時の糊の入り具合や絵柄に起因したインキ量の増減などで、±0.5mm程度の誤差が生じることもあり、必ずしも計算通りのミリ数になる訳ではないというのが難しいところです。

あまりにもページ数が少なく背幅が狭いときには、背文字を入れない判断をすることもあります。

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